ミヤガワ日記

ピアノや読書を中心に、日々の気になったことを書いていきます

NHK-FM きらクラ!に森下唯さんとピアニート公爵が出演した感想


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しばらく聴いていなかったが、素晴らしい演奏!

 

ピアニート公爵との出会い

僕がピアニート公爵を知ったのは5年程前だろうか?

ニコニコ動画を見ていて、巨人の星ショパンソナタ第三番のフィナーレを合わせた曲を弾いており、

ニコニコ動画なのにプロ級のすごいピアノの巧い人がいる!」

と思ったのがピアニート公爵との最初の出会いであった。

その後に出されたCD

Singularity ?シンギュラリティ(特異点)?/ Duke of Pianeet

もノリで買って、今でもiPhoneの中に入っておりたまに聴いている。

 

このCDがとても良くて、普段クラシックのピアノ曲しか聴かない僕でも楽しめた。

2曲目の
ショパンソナタ第3番フィナーレと『巨人の星』主題歌による交響的融合」
は、元々東大のピアノサークルにいた「近藤さん」という方がふざけて編曲したものであるらしいが、ピアニート公爵が弾いたものを聴くと、パンチが効いていてとても良い。そして、この「巨人の星」と「ショパンソナタ3番四楽章」を融合させるという発想をした「近藤さん」に拍手を送りたい。この2曲の音楽の方向性(躍動感とか、力強さとか)が合っている事がよく分かる。

4曲目の

「アキバポップ・ザ・フューチャー/MOSAIC.WAV ピアノ独奏版」も目の覚めるような技巧と楽しさで素晴らしいし、

5曲目の

ガンバスター幻想曲」は20分もある大曲で、ストーリー性をもったある種のバラード的な音楽の語り口が素晴らしい。

 

ただ、ベートヴェンのピアノソナタ第32番に関しては、ピアニート公爵の演奏は素晴らしいが、多少平坦な気がした。

(この曲に関しては古今東西の名だたるピアニストが名盤を残しているので、どうしても僕の頭の中で比較してしまうのです。)

ただ、ベートーヴェンソナタの最高傑作とも言われるこの曲を、デビューアルバムでカップリングする勇気や、若さに賞賛を送りたい。

 

 

 

こんな感想を持ちながら、僕はiPhoneには楽曲を入れて、たまに聴いてはいたものの、ピアニート公爵のその後の行方を追う事は無かった。

そんな時に、先週の「きらクラ!」エンディングで、「来週のゲストはピアニストの森下唯さんです」と遠藤真理さんが言ったのを聴いて、「え、本当にこの番組にいらっしゃるのか〜」と勝手に驚きながら、「これは絶対聴こう」と思ったのである。

きらクラの番組表

 

「きらクラ!」オンエアではアルカンの「鉄道」が素晴らしかった

そんな、ピアニート公爵こと森下唯さんですが、ピアニート公爵とその生き別れの兄である森下唯さんですが、今回の「きらクラ!」で演奏とお話を聴く事ができた。

「シャルル=ヴァランタン・アルカンという作曲家をもっとメジャーにしたい。」

という森下氏だったが、そのアルカンの「鉄道」の演奏がオンエアされた時に僕は感動した。

僕は今までこの曲の演奏は、なんというか「いっぱいいっぱい」の「ゴツゴツした」ものしか聴いてこなかったのだが、

今回森下唯氏の手による演奏は、「滑らか」で、すこぶる音楽的なのである。

 

この曲は超絶技巧を要する曲として知られているので、ひょっとすると他の演奏家はリキんでしまい、演奏がゴツくなるのであろう。

森下氏の演奏はリキみがあまり無く、非常に音楽的であった。「表現」というものが感じられた。

おそらく、真の「技巧」というのはこういう事を言うのであろう。

 

森下氏は上述した通り、アルカンという作曲家の話題を饒舌に語られていたが、恐らくは「アルカンは彼が愛して止まない作曲家」なのであろう。演奏からもその愛がヒシヒシと伝わってきた。

 

「森下唯さん、ピアニート公爵」はもっと音楽界で注目されても良い存在と再認識

演奏を聴いたふかわりょう氏も、「これ、連弾じゃないですよね??」と森下氏に質問をしていたが、このような難曲を「音楽的に」弾ける森下氏には、もっと注目が集まってもよい、もっと脚光を浴びてもよい、と感じた。

 

 

あと、アルカンのこんなCDが発売されていた!遅ればせながら僕も購入したいと思う。

 

(追記) こちらは2016年10月に発売された!なんと、このブログで話題にしていたアルカンの『鉄道』が収録されている。必聴!

2017年1月15日追記:森下唯さんが福間洸太朗さんと題名のない音楽会に出演されました。その感想をブログに書きました。

 

piano6789.hatenablog.com