ミヤガワ日記

ピアノや読書を中心に、日々の気になったことを書いていきます

【北陸旅行記】金沢で、古き良き「木津屋旅館」に泊まった事(1日目)


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需要はないと思いますが、一週間位前に行ってきたムサ苦しい中年男二人での北陸(石川県の金沢と和倉温泉、富山県の富山と高岡)一泊二日の旅が結構面白かったので書きます。

 

金沢駅鼓門

 

 

北陸旅行に行くことになったきっかけ 

僕と一緒に行ったA先輩は、高校時代からの知り合いです(といっても厳密には僕の友達の高校の先輩で、若い頃は3人で飲み歩いていたのですが、友達が宗教にハマってしまい、それ以来僕とA先輩はその友達抜きで飲んだりする仲です…)。

このA先輩がここ5年位、週末になると日本中を旅しています。北は北海道から南は沖縄まで、Facebook等で地方のマイナーな村や、都市の様子を見せてくれていました。一体いつ東京で仕事をしているのか?とこちらが不思議に思うくらい旅好きなようで、「旅行業務取扱管理者」の資格も取ったとの事。


そんな背景があり、10月位に一緒に飲んだ時、僕が「金沢とか行きたいっすね〜」と口を滑らせたばっかりに、「ミヤガワ、いつも休みの日に家に篭っていても仕方ないだろ。金沢一緒に行こうぜ」となって、クリスマスの一週間前の12/17(土)にモテない中年男二人で、一泊二日で金沢に行くことになりました。

 

 

過去の金沢旅行の思い出

僕自身は金沢は過去に一度行ったことがあり、是非また行きたい、と思っていました。


思い起こせば6年位前の、すがすがしい初夏の6月でした。当時東京から越後湯沢を経由して、金沢の大きな駅に着いたときには感動しました。ちょうど北陸新幹線の高架の工事をしていたように思い出されます。
当時の勤めていた会社の社員旅行だったのですが、その日は偶然にも「加賀百万石祭り」の前日で、夜は料亭のような居酒屋の2階から、浅野川に流れるいくつもの灯籠が見えました。水面に映る幻想的な灯籠、日本の良き風習。
こういう旅は社員旅行なんてものではなく、プライベートで来たい、と思いました。
次の日は朝から、街中の人々がビニールシートで道路の歩道を陣取り、祭りの行列が練り歩くのを待っているようでした。14時ぐらいに駅前の鼓門に行くと、勇壮で荒々しい太鼓の音と、笛の音が聞こえ、沢山の人々が色とりどりの格好をして金沢城に向かって行列(パレード)をしていきました。小学生位の小さな子供が法被を着て、はしごの上でポーズを決めていました(加賀鳶というらしい)。

そこには日本の原風景のようなものがありました。きっと金沢は空襲で焼けなかったので、このような風情が見つけやすいのかもしれない、と思いました。

 

今回の金沢旅行も、そのような風情が見れることを期待して行きました。

 

 

 

 東京駅を出発してあっという間に金沢へ

東京から金沢行きの切符

 

北陸新幹線はやはり速かったです。埼玉あたりは同じような街並みで、そのうちトンネルが多くなり(携帯が使えない)、長野の駅に着き、その辺りから雪が見え始め、またトンネルが沢山、といった具合。快適だったので途中寝てしまいました。上の写真の通り、2時間半位で着きます。

ちなみにA先輩は木曜日夜の夜勤を終えて、金曜日に東京を出発し、名古屋等を観光して名古屋方面から金沢に前泊していました(後で分かるが、前田利家ルートというらしい)。どれだけスタミナがあるんだ…。

 

 

 

まずは能登半島、和倉温泉の総湯へ

金沢に着き、A先輩と落ち合うと、まずは温泉!という事で、和倉温泉を目指してJR七尾線の「特急能登かがり火」に乗りました。能登半島は初めてでしたが、これといった特徴もなく、田んぼが広がった、普通の日本の田舎の風景が車窓から見えます。

 

途中面白い電車を発見しました。「花嫁のれん」という電車だそうですが、花模様をあしらった車体が綺麗でした。

のと鉄道花嫁のれん号

 

1時間ほどして和倉温泉駅に着いた時は、ちょうど雨が激しく、バスも20分位待たなければ来ない、という状況でしたので、仕方なく総湯までタクシーを使いました。駅から総湯まで1010円でした。

和倉温泉総湯

(総湯の写真、晴れてきた帰りに撮ったもの)

 

 

和倉温泉-総湯-

総湯とは、和倉温泉にある共同浴場であり、大人でも440円という格安の値段で入浴することができます。以下効能と温泉成分の一部引用

 

リューマチ
神経痛
痛風
婦人病
アトピーにも効果があります。
2倍に薄めて飲用すれば胃腸病や貧血病などに良いとされています。

源泉名 和倉温泉(5号源泉、8号源泉、10号源泉、13号源泉)
湧出地 石川県七尾市和倉町ヨ部79番地1
泉質 ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)
泉温 82.7℃(気温22.0℃)
湧出量 990リットル/min(動力)
pH値 7.6(ガラス電極法)
蒸発残留物 24.3g/kg(180℃)
電気伝導度 26.4mS/cm(25℃)

 

 入浴してみた感想は、とにかく「温まる」という事です。温泉の泉質が上記のようにナトリウム・カルシウム塩化物泉となっているので、口に入れるとしょっぱいです。まるで温かい海水に浸かっている感じです。男湯は湯船が4つ程度と、冷泉が一つ、サウナが一つとなっていて、天井が高いので広々した感じでくつろげました。外部に露天風呂もあります。

冬はやはり温泉がいいですね。十分温まって、帰りは駅まで歩いたのですが、温かさが抜けませんでした。

 

 

 

金沢に戻り、ライトアップバスに乗って夜のひがし茶屋を観光

金沢に戻り、お腹がすいたので駅前の商業ビルで「しゃぶしゃぶ、カニの食べ放題」というバイキング形式の店に入りました。これは結論から言うと失敗でした。カニは美味しかったですが、寿司は東京のそこらへんの惣菜と同じレベル。しゃぶしゃぶ食べ放題もついていましたが、これも普通。金沢に「肉」を求めるほうがおかしいですね。

そもそも、このような「食べ放題」を謳っている店は、地元の人が安上がりに済ますために行くべきであり、風情を楽しむ観光客向きではないですね。観光客は、「美味しい、その土地のものを、少量」頂くのが、良いと思います。

エキナカにある食堂等のほうが、よほど「金沢らしい」ものを提供してくれると思います。A先輩曰く「エキナカの店は、馬鹿にする人もいるけれど、海鮮モノとかはエキナカとは思えないほど普通に新鮮で美味い」と言っていました。そちらに行くべきでした。金沢に行くときは、どこで何を食べるか?口コミ等で決めていったほうが良さそうです。

 

駅前で今夜の宿である主計町にある「木津屋旅館」に行こうと思ったのですが、ちょうどよいバスが無いので、バス停あたりに立っていた係のおじさんに聞いてみると、

「これから出るライトアップバスというのは、普通は200円の運賃が300円だけれど、橋場町で降りると、ひがし茶屋街のガイドが付く」

と言われたので、乗ってみる事にしました。飛び入りOKとの事。

ライトアップバス|観光に便利なバス |北陸鉄道株式会社

 

橋場町というところで降りるとガイドのおじいさんが、夜のひがし茶屋や、主計茶屋を廻って色々説明してくれました。

「尾張町は尾張出身の前田利家が連れてきた商人を住まわせた街です」とか、「主計町茶屋とひがし茶屋は芸姑さんが何人いて…」とか、「茶屋は2階で芸姑さんが踊るので、2階のほうが1階より階高が高い」とかそういった話ですが、僕はあまり歴史に詳しくないので、「ほーん」位に思っていたのですが、歴史に興味がある人とか、レキジョの方とかにはとても面白いツアーになると思います。

 

ただ、僕は大学で建築を専攻していたこともあり、「茶屋の2階の階高が1階よりも高い」という話は、「人間の身体性とか行動によってその場が決定する建築」という事に少し興味を持ちました。

建築の形にもちゃんと「意味」があるという事。そして、人間が建築に影響を及ぼすと共に、建築が人間の行動を誘発させるという逆のパターンも存在し得るのではないか?等々、学生時代の課題のコンセプトじみたことを考えていました。

 

夜のひがし茶屋

(夜のひがし茶屋の風景)

 

 

夜の主計町茶屋の坂道

(夜の主計町茶屋の坂道。ここはガイドさんに連れて行ってもらいました)

 

 上記の写真の通り、主計町茶屋の細道はとても情緒が溢れており、観光に訪れた際は一度いってみると良いと思います。特に夜の坂道の雰囲気はとてもよいです。どこからともなく三味線の音や、人の笑い声が聞こえてきて、風情があります。

 

 

 

木津屋旅館に到着

上記の坂道からすぐのところ、主計町(かずえまち)茶屋の一角、浅野川のほとりに木津屋旅館はありました。僕ら中年男二人でも、女将さんは快く迎えてくれました。

この旅館は古くは茶屋の一つで、昭和18年から旅館として営業しているとの事。外観はお茶屋さんですね。

 

夜の木津屋旅館

(夜の木津屋旅館外観)

 

木津屋旅館部屋内部

(宿泊した部屋の内部、とても暖かく清潔でした)

 

部屋に通されると、古い建物にも関わらず暖房が効いていて、暖かかったです。僕達の部屋はバス、トイレが付いていない部屋ですが、付いている部屋もあるとの事。勿論、1階には男女別で浴場もあります(ただし、あまり大きくはありませんでした)。

 

 

木津屋旅館廊下

 (廊下の様子、日本建築ですね)

 

木津屋旅館階段

 (木のぬくもりが感じられて、とても落ち着く旅館です)

 

 

旅行好きなA先輩曰く、ここは2人以上でないと泊まれないとの事。但し、2人いれば、一人あたりの料金は5千円位で済むので、風情のないビジネスホテルに泊まるよりかは、ずっとお得との事でした(ちなみに予約もA先輩にしてもらいました)。

 

 

 

確かに、主計町茶屋に位置しており、目の前は浅野川が流れ、ひがし茶屋や、泉鏡花記念館や、徳田秋聲記念館が近くにある立地は非常に魅力的です。金沢の魅力が集積している、と言っても過言ではありません。

尚且つ、昔は茶屋であったので、宿泊場所さえも非日常的な旅行の雰囲気が味わえます。ここはオススメですね。

玄関先で、隣の建物にある居酒屋で出来上がった女性のグループにも会いました。
というか、玄関に宿泊者の履物が出されているのですが、意外と女性の靴が多かったです。僕は女性というのは、もっと近代的に整備された清潔なホテルのような場所を好むと勝手に思っていたのですが、きっとこの旅館の不思議な魅力に取り憑かれたのでしょうか?

「じゃらん」の口コミもとても良く、高評価です。

↓じゃらんで木津屋旅館を検索してみる 

 

 

 

朝の木津屋旅館

 (早朝の木津屋旅館、佇まいが古めかしいながらも、凛としている)

 

さて、木津屋旅館に到着して、まだ、午後の8時過ぎ位だったので、A先輩と兼六園に歩いて行ってみる事にしました。10〜15分ほど歩くと、兼六園に着きましたが、真っ暗で閉まっているようでした。

 

仕方なく金沢城に行き、庭の方に廻ってみると、庭園がライトアップされていました。

金沢城庭園ライトアップ

これが、意外と美しくて魅入ってしまいました。ライトアップとか、そういうもので感動した経験は無いのですが、旅の効果でしょうか?時々刻々と色合いが変わっていき、とても綺麗なものに見えました。

金沢城公園・玉泉院丸庭園ライトアップ|金沢城公園

(玉泉院丸庭園というのだそうです。前田利常から始まる、歴代藩主の庭は明治期に廃絶されたとの事ですが、2015年3月に復元されたとの事です)

 

 

このライトアップは、あまり派手すぎないのが良いです。古きモノ(ここは復元だそうですが)、と新しきモノ(ライト)等の組み合わせは難しいと個人的には思っていますが、このライトアップは成功しているように思いました。
何故かふと、建築家のヘルツォーク&ド・ムーロンの作ったイギリスのテート・モダン・ミュージアムのような、ミニマルな「新しさ」と古き良き建物の見事な調和を思い出しました。

テート・モダン - Wikipedia

 

 

↑嘘です。上記のようなことは思っていませんでした。僕がライトアップを見ながら思っていたことは、

「なぜ、隣りにいる人が可愛い女の子ではなく、ムサ苦しいA先輩なのであろう???」

という事です。この時ばかりは自分のモテなさを呪いましたね。
今度来る時は絶対に可愛い女の子と来るからな!と心のなかで叫びましたね。

 

 

 

加賀梅酒を買って、宿で飲む

ライトアップは午後9時までなので、その後は宿に帰ることにしました。道なりに2つコンビニがあるのですが、ファミマの方に入り、A先輩オススメの「加賀梅酒」を買いました。

加賀梅酒

 (美味しかったので金沢を離れる時にお土産として購入しました)

 

宿に帰り、温かい風呂に入って、先程購入した加賀梅酒を飲みました。上記の写真の通り、「2013年ノーベル賞関連パーティで飲まれた唯一の梅酒」とあります。

僕はこういう謳い文句はどうでもよくって、ただ酒が飲めれば良い、と思っていたのですが、風呂上がりにこれを飲むと、口の中にじゅわっと濃く芳醇な梅の香りが広がり、甘さと、梅の酸っぱさが絶妙のバランスで、グイグイと飲んでしまいました。

これは普段、酒を飲みなれているアルコールに強い人にはオススメしません。爽やかで、かつ濃厚な「梅のジュース」を飲んでいるような感覚になり、アルコール度数が14度あるにも関わらず、どんどんと飲めてしまうからです。

小堀酒造店 萬歳楽 加賀梅酒 720ml

 

 

窓辺の腰掛けに二人して腰を下ろして、夜の浅野川を眺めながら、飲む梅酒。格別でした。ただ、A先輩ではなく、可愛い女の子が良かった、ただそれだけです…。

ちなみに、夜はA先輩のいびき、寝返りをうつ音、歯ぎしり等、全てがうるさく、何度か起こされました。朝になって、A先輩が「俺、うるさくなかった?よく言われるんだよね」と言ったので、「…うるさかったです」と答えました。

 

 

 

 

気を取り直して朝は再びひがし茶屋を散歩する

7時半位に宿の女将さんに声を掛けて、散歩に行ってきました。主計町茶屋からひがし茶屋まで、浅野川にかかる橋を渡ってすぐです。東京と違い、空気が澄んでいました。

木津屋旅館遠景

(ひがし茶屋方面から主計町茶屋の木津屋旅館を見る)

 

 

朝のひがし茶屋

(朝のひがし茶屋。この時間に行くのが静かで良い)

 

朝のひがし茶屋街は夜とはまた違った、爽やかな雰囲気でした。個人的には写真の道の奥に、丘のような部分があるのですが、あの場所に建物があるようですが、何があるのか気になりました(あとで調べてみたら、旅館とお寺があるようです)。

都市計画とかを少し学ぶと、街道などの道を高い山に向けて通したりすることを「山あて」などと言いますが、ここも小高い丘の上に昔は何かあったのかな?と勘ぐりたくなります。

 

ひがし茶屋のひとつの茶屋

(この茶屋は、内部に松の木があり、屋根を突き抜けているとの事!)

 

 

 

1日目の終わりに

2日めの朝まで書いてしまいましたが、金沢は空襲を免れたためもあり、昔ながらの情緒溢れる街でした。また、僕達が泊まった宿「木津屋旅館」はゆったりとした時間が流れており、まさに「当たり」でした。

今度来る時は絶対に可愛い女の子と2人でこの木津屋旅館に泊まる!という事を目標にして、金沢をあとにしました。

2日目は、「北陸周遊きっぷ」を使って、帰りに富山県の高岡と、富山に降り立ったのですが、その様子はまた今度書くことにします。

 

読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

追記:↓2日目に行った富山県の記事です。 

piano6789.hatenablog.com