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ミヤガワ日記

ピアノや読書を中心に、日々の気になったことを書いていきます

大人からのピアノが手っ取り早く上手くなるためにはハノンよりピッシュナの方が良い理由


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大人からのピアノが手っ取り早く上手くなるためにはハノンよりピッシュナの方が良い理由

ピアノの鍵盤画像

 

大人からのピアノは小指と薬指が動かない

大人になってから本格的にピアノを習うことにしたピアノ再開組の僕ですが、指の独立については当初すごく悩みました。 

特に小指や薬指は普段使っていない指であるためか、動かないこと山の如し、動いたとしてもリズムが変だったり、なんというか指そのものを動かしているというよりは、

「指が先についている腕を強引に廻して引っぱたく」

というイメージでした。これでは憧れのショパンやら、ベートヴェンやらも弾けません。

 

まずはハノンをやってみた

当初僕がやっていたのはピアノ界では知らぬ人がいないであろうおなじみの指練習本「ハノン」でした(Le Pianiste Virtousite en 60 Eexecises 技巧的に優れたピアニストへの60練習曲)。

ハノンは60の課題からなる指の練習教材で、巻頭には「1番から60番までを毎日やりなさい」と、鬼畜のような事が書いてあります。

ピアニストでもハノンはさらっている人が多く、必需品のように言われる事が多いです。

しかしながら、これを何曲かピックアップしてやってみたのですが、確かにやらないよりはやった方がよいですが、何かしっくりきませんでした。

 

例えばハノンの一番最初の課題、両手で「ドミファソラソファミ、レファソラシラソファ、...」と続けていくのですが、小指と薬指が弱いがために、「ドミファソーラーソーファミレファソラーシーラーソファ、...」と、全く一音一音の粒が揃いません。

 

 

 

ハノンで上手くならないのは10本の指全てを一気に鍛えるから


ハノンで上手くならない理由、それは10本(右5本、左5本)全てを一気に鍛える練習だから、という結論に達しました。

 

確かに指の粒がある程度揃っていて、指が独立して動く人、あるいはこれから始めたり、再開する大人ではなくて柔軟な心身を持つ子供であるならば、ハノンは総合的な指練習教材としては最強でしょう。

ハノンには、音階、スケール、アルペジオ、重音、オクターブ、トリル、トレモロ等の全てのピアノに必要な技巧要素が詰まっています。逆に言えば、このハノンを全て完璧に打鍵できれば、技術的な事に限って言えばその人はピアニストになれるでしょう。

 

しかしながら僕は小さい頃にバイエルしか終わらなかった、大人からのピアノ再開組なのです。小指と薬指が極端に動かないのです。その状態でハノンを弾いても、重点的に小指や薬指を鍛える事ができないため、リズムが狂ってしまったり、音が鳴らなかったりして、あまり練習曲の意味を為していません。要するにハノンさえも満足に弾けないのです。

僕は「動かない指だけを強化するような練習曲の練習曲が必要だなぁ...」と思いました。

 

 

ピッシュナの練習理論は、某ピアニストの指練習理論と同じ

そんな時にインターネットで

ピシュナ 60の練習曲 解説付 (坂井玲子校訂・解説) (Zenーon piano library)

(ピシュナとも、ピッシュナともいう)

という指練習本がある事を知りました。この曲集は「保持音+トリル」のような形で、指の独立を促すという練習理論があるようです。

ピッシュナは「保持音+トリル」という形式、という事を知った時に高校時代の友人の話を思い出しました。

その友人は長野県松本市出身のとあるピアニストのお弟子さんで、高校時代には合唱コンクール等でピアノの伴奏をしていたすごい友人です(ちなみに男です)。その友人曰く、

  1. ドレミファソと鍵盤に右手の五指をつけて、5音押したままの状態で「ドレドレドレ、レミレミレミ、...ファソファソファソ」とトリルをする(指の独立の練習)
  2. ドミソドミソドソミドソミド(アルペジオ)の練習をする(親指の柔軟性等)

この1、2だけである程度、指は独立するようになり、難所はこなせるようになる、そしてこれはピアニストである先生に教えてもらった

との事でした。

 

そうです。この指練習方法は(特に1は)まさしくピッシュナでよく出てくる「保持音+トリル」の形なのです。

ピッシュナの練習理論と、高校時代の友人の話がリンクしたので僕はすぐにピッシュナを購入してやる事にしました。

 

 

ピッシュナをやってみた感想

「痛い」

これが最初にピッシュナをやった時に思った感想です。例えばこの第5番。

 

ピアノ教材ピッシュナの第5番の冒頭部画像

 ピッシュナ音楽之友社版より引用

 

右手は親指と人差し指が保持音となります。そうしながら薬指と小指でトリルをします。この音型を半音ずつ移調しながら、1オクターブ上までいったら終わり、なのですが、集中して五本の指をコントロールしないと、親指や人差し指が鍵盤から離れてしまったり、また、調ごとに押さえる鍵盤の位置が違うので、薬指と小指のトリルも動かし方や力の入れ方、抜き方の微調整が必要です。

このような事を考えながらなるべく滑らかに弾こうとすると、最初のうちは指や腕がすぐに痛くなり、一曲を通しで弾けるようになるのも一苦労でした。

また、ピッシュナは知らないうちに片手で2つの声部を受け持っている事になるので、バッハのインヴェンションやシンフォニアと同じように、脳をとても使います。

 

しかし、慣れてくるとこの練習はとても面白くなります。まるで筋トレと同じで、苦行を伴いますが、目に見えて効果が出てくるからです。試しにこのピッシュナの1番から6番までをピアノの練習時間の一番最初にやってみて下さい。

次に弾く曲が見違える程クリアに、粒立ちがよく打鍵できるようになります。そしてピアノを弾くという事は、一音一音の打鍵がまさしく脳からの指令という事が実感できるはずです。
僕もこのピッシュナで弱っていた小指と薬指の独立が近づきました。

ピッシュナを練習した後すぐに出る即効性の効果と、ジワジワくる遅効性の効果があります。短期的には鈍った指をすぐに活性化できるという事、長期的にはそもそも指を鈍らせないように、独立させるという効果です。

 

ピアニストの横山幸雄さんも幼い頃に使っていたという事実

横山幸雄さんといえば、日本を代表するピアニストの一人です。ショパンコンクールで3位に入賞していたり、ショパンの全ての曲をマラソン演奏したり、とにかく超絶にすごい人なのです。演奏に関しては僕は生では聴いた事はないですが、CDを購入した事があります。その中にショパンのワルツ14番ホ短調(遺作)や、リストのラ・カンパネラ等が入っていたのですが、とても精密な技術でびっくりしました。技術的な事に限って言えば、日本で3本の指に入るのではないか、という位の域です。

(誤解を恐れずに言うと、僕は内田光子さんとかは尊敬はしておりますが、技術的な部分で限って言えば、横山幸雄さんの方が巧いと思います)

ラ・カンパネラ~ヴィルトゥオーゾ名曲集


その横山幸雄さんが幼い頃にピッシュナを使っていたという事を、書籍(名前失念)とネットで知り、胸熱です。

 

やりすぎに注意!

ピッシュナを強く進める僕ですが、最後にあなたに気をつけて欲しい事があります。もしあなたがこのピッシュナを進める時に、どこかが痛くなったらすぐに練習を止めて休憩して下さい。

この練習曲は最初のうちはとても指や手、腕に負荷をかけます。そしてそのような状態でピアノを弾く事は上達には繋がらないし、何より、手や腕を痛める原因となります。ゆっくりとしたテンポを守って(楽譜には殆どの練習曲でLentoと指示されています)、やりすぎないように注意して下さい。

 

2017.3.22追記:だいぶ薬指と小指が動くようになってきました。下記の動画は僕がショパンのワルツ7番嬰ハ短調(op.64-2)を弾いたときのものです。

この曲はA-B-C-B-A-Bという形式になっていますが、特にこのBの部分、右手「タラララララ…」と下降音型が繰り返される部分の最初の「タラララ」の部分は4543という薬指と小指をかなり強く打鍵しなくてはいけないのですが、ピッシュナをやっていたおかげで何とかここまで弾けるようになりました(まだまだですが…)

www.youtube.com

薬指と小指が動かない大人からの初心者であるあなたにもピッシュナをオススメいたします。

 

 

全音

音楽之友社

 

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