ミヤガワ日記

ピアノや読書を中心に、日々の気になったことを書いていきます

タッチの良いおすすめな電子ピアノを比較(ヤマハ、カワイ、ローランド、カシオ)動画あり


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おすすめのタッチの良い電子ピアノを試奏動画とともにまとめたいと思います。対象としたのは、ヤマハ、カワイ、ローランド、カシオの日本の誇る4大電子ピアノメーカーの電子ピアノです(コルグは動画を撮ることが出来なかったので除外)。

 

 

はじめに|そもそも電子ピアノで上達するのか?

電子ピアノと生ピアノは違う楽器である

小さい頃の僕の実家にヤマハアップライトピアノがありました。アップライトピアノとは生ピアノの一種で、弦を縦型に貼っている、コンパクトな生ピアノ(アコースティックピアノ)です。スペースを取らないので、多くの家庭にもあるピアノです。↓こういうやつですね。

アップライトピアノ

 

 

 

これに対して、生ピアノ(アコースティックピアノ)の一種であるグランドピアノは弦を横に貼っており、ピアニストが演奏会を開く時は通常このピアノが使用されます。ホールとかで発表会にも使われますし、学校の体育館とか講堂にも置いてあることが多いでしょう。↓こういうやつ。

 

グランドピアノ

 

さて、現在の僕ですが、実家から離れてしまったためにピアノがありません。その代わりに電子ピアノがあります(ローランドのDP-990という10年近く前に購入したもので、当時20万円位した)。

正直な話をすると、僕はグランドピアノが欲しいです。お金を貯めて是非とも買いたいです。というのも、電子ピアノで練習していて、たまにグランドピアノのあるスタジオ等でグランドピアノを弾くと、その演奏の落差に絶望するからです。音の鳴りぐらい、鍵盤を押さえた時の感触(タッチ)、微妙なニュアンスの表現方法、弾くことの喜び、全てが違う楽器のように感じます

 

いくら日本の電子ピアノの製作技術が発展しているとはいえ、
電子ピアノとは「生ピアノ」とは違う「楽器」である事を認識すべきです。

ですので、制約がない人は電子ピアノではなく、グランドピアノやアップライトピアノ等の生ピアノを是非とも買うべきです。

 

 

 

ピアニストの反田恭平氏の実家には電子ピアノしかなかった!

グランドピアノが欲しい…そんな事を常々思っていた折に、昨年のTBSのテレビ番組「情熱大陸」で反田恭平というピアニストが取り上げられていました。クラシックのピアニストでモスクワ音楽院に留学もしていた、現在話題沸騰中の新進気鋭のピアニストです。2012年、高校在学中に日本音楽コンクール第一位に輝き、数々の賞も受賞されているという時点で、本格的なクラシックのピアニストといってよいでしょう。

その反田恭平氏モスクワ音楽院留学中のアパートにあったのはいかにも安い電子ピアノであったこと、そして僕が何よりも驚いたのは反田恭平氏の日本の自宅には電子ピアノしか無かったことです。

反田氏が「電子ピアノしかないんですよ、でもヘッドホンとか録音とか使えたりするんでよかったですよ」などと仰っていました。

電子ピアノといっても、アップライトピアノと同じ機構のハンマーと弦を持った電子音が出る電子ピアノであるようにその時のテレビ映像からは推測出来ましたが、僕はクラシックのピアニストというものは小さい頃からグランドピアノで練習しているという固定観念があったので本当に驚嘆しました。

もちろん反田恭平氏も外でレッスンする時はグランドピアノを使っていたでしょう。でなければ日本音コンで一位を取ることは無理です(小説の世界ならば可能ですが)。

 

このような例は実はまだ他にもあり、電子ピアノではないものの、ショパンコンクールで優勝したラファウ・ブレハッチは浜コン優勝までアップライトピアノしか自宅に無かったと聞きますし、フランスのピアニスト、アレクサンドル・タローはそもそも自宅にピアノが無い、弾きたくなった時は友人の家に行く、とかのたまわっておりますし、ポップスピアニストであるレ・フレールの兄弟の家にはこれまた電子ピアノしか無かったらしいです。これまたショパンコンクールで優勝したダン・タイ・ソンベトナム戦争中捕虜になった時に紙鍵盤で練習した、という逸話もあります(これは状況がちょっと違うか)。

 

蓋し、このような人々は元々かなりの音楽的才能があり、生ピアノ(グランドピアノ)を弾いていない時でも頭の中だけで指を運び、音を正確に鳴らせることができるのでしょう。繊細で微妙なニュアンスさえも想像することが出来る稀有な人々です。

余談ですが実際このような「想像だけで練習する」という事は経験上とても重要であるように思えます(ピアノを弾く想像をするだけで、ピアノを実際に弾いている時と同じ脳の領域を使っている、という研究もあります)。練習の一環として取り入れてみるのも良いでしょう。

 

 

電子ピアノでも使いようによっては上達する

このような例から、僕は「自分が電子ピアノで上達できないのは言い訳である」と結論付けました。もちろん、ピアノ教師の人や、本格的にピアノをやっている人の99%位はこの意見に異論を唱えるでしょう。僕も長年グランドピアノ、せめてアップライトピアノ等の生ピアノでなくてはダメだと思っていましたし、今でもグランドピアノがあれば弾きたいです。グランドピアノとそれが入る家が欲しいです。誰か僕にグランドピアノを下さい(笑)。

 

しかしながら、日本の住宅事情や個々人の経済力を考えた時に、生ピアノは必ずしも最良の選択とは言えません。ピアノ殺人事件なんてのもあったように、現在の日本においてグランドピアノを都心部等で所有するにはそれなりの防音の効いた広い住宅が必要ですし、何より経済力が必要です。

そこで、安価でヘッドホン等で消音も出来る、調律も不要な電子ピアノを買う、という選択肢が生まれるのです。

これから電子ピアノを購入する予定のあなたは、まず電子ピアノと生ピアノは別物であることを認識して、家では電子ピアノで練習し、音楽教室や、スタジオで定期的にグランドピアノを触る事を条件に検討すべきです。生ピアノを一切触らない、といった状況は極力避けるべきです。

そうすれば、生ピアノの感触を記憶することにより、電子ピアノで練習しても一定の上達が望めると僕は思います。

特にこれからピアノを始めてみよう、という人、初心者は途中で飽きる可能性もありますので、安価な電子ピアノがオススメです(もちろん、経済的余裕があれば生ピアノに越したことはありませんが)。

 

 

電子ピアノ

 

 

電子ピアノを選ぶ上で最も重要な点

これらの事を踏まえると、電子ピアノを選ぶ上で重要な点は「いかにグランドピアノと似ているものを選ぶか」という事がお分かりになるかと思います。 

以下に重要な点を列挙します。

鍵盤が88鍵あるか?

これは基本的な事ですが、重要です。本物の生ピアノは88鍵鍵盤があります。電子ピアノを選ぶ時には88鍵の鍵盤があるものを選択すべきです。

もっともポップスや、ロック等のバンドで所謂「キーボード」として扱うのならば、61鍵とかでも良いのかもしれません。これらのキーボードは移調機能が付いているはずですので、音域もカバー出来るはずです。また作曲のみに使うという方も88鍵は必要ないかもしれません。

しかし、ある程度本格的にクラシック、ジャズ等のピアノをやっていくのであったら、88鍵の鍵盤は必須です。例え、88鍵の鍵盤を使う曲を弾かない!という人でも「88鍵の鍵盤の幅、所謂ピアノの幅」を体感的に知っておくべきです。そうでないと、いきなり生ピアノを弾いた時に混乱します。「どこが真ん中のドだっけ?」という具合に。

 

電子ピアノのタッチ(弾いた感触)が生ピアノと近い事

これは重要です。僕の考えでは一番重要なのではないか?という要素です。

というのも以前僕はピアノ教室の発表会に出たことがあるのですが、自分の家の電子ピアノで完璧に弾けた!と思って発表会でグランドピアノを弾いたら音が鳴らなかったり、逆に大きな音が出たりと、全くグランドピアノをコントロール出来なかった過去があるからです。

この問題は結構奥が深くて面白いのですが、「普段からグランドピアノで練習しているプロですら、初めて逢ったグランドピアノをコントロール出来ない事すらある」ようです(ですので、プロの演奏家の場合、リハーサルの時間を十分に取る)。

余談ですが、プロの中には完璧主義者のような人もいて、いつでもどこでも最良の音楽を聴かせるために「マイピアノを持ち歩く」人もいます。古くはホロヴィッツミケランジェリ、近年ですとポリーニツィメルマン等です。いずれもプロの中でもトップクラスの超一流ピアニストですが(これらの人々は専属の調律師まで同行させることが多い)。

 

このようにピアノのタッチとは非常に繊細で、考慮すべき問題なのです。生ピアノの間にも個体差がありますが、では生ピアノに弾いた感触が近い電子ピアノとはどのようなものでしょうか?

実はこればかりは弾いてみないと分からない部分ではあります。電子ピアノメーカ各社とも色々な手法でグランドピアノのタッチ感を再現しようとしていますが、あえて要点をまとめると

  • 鍵盤自体の重みが適当か?

グランドピアノ等の生ピアノは低音から高音にいくに従って鍵盤が軽くなります。鍵盤自体の適度な重みと、この機構が再現されているか?

 

  •  弱く弾いた時のクリック感があるか?

グランドピアノを弾いたことのある人ならば分かると思いますが、弱く弾いた時に、鍵盤を押し込む途中で「カクッ」とした抵抗を感じるかと思います(エスケープメント)。ここまで再現できていれば、他の機構も再現できている可能性が高いです。

 

  • トリル、連打が卒なく出来るか?

トリルというのは高速で「ドレドレドレドレ…」と指をうごかす動作です。連打とは「ミミミミミ…」と、文字通り一つの鍵盤を連打することです。これが可能になるためには鍵盤を打鍵してからの鍵盤の戻りが速くないと出来ません。電子ピアノを選ぶ上での一つの指標となるでしょう。

 

  • そもそも触感はどうか?

古くはピアノの白鍵には象牙が使われていました。黒鍵は黒壇ですね。今はワシントン条約により象牙はNGなので、グランドピアノでも白鍵はそれに似せたものをつかっています。汗による滑りを防止するような素材だと良いです。

 

電子ピアノの音自体が生ピアノと近い事

実は上記の鍵盤のタッチとも切り離して考えるべきではないのですが、音楽をやっている以上、出てくる音は重要です。臨場感のあるスピーカーも重要ですが、グランドピアノの音を一つづつ電子的に録音(サンプリング)して再現するという技術もあるので、そういったものを選ぶと良いでしょう。音量、音の歯切れのよさ、レガートの伸び等、タッチと合ったものを選ぶべきです。

 

 

 

 

 

実際に弾いてみた感想と動画

ここからは実際に電子ピアノを弾いてみた感想と動画です。

比較のためにまずは生ピアノ(ヤマハのグランドピアノから)

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この上がって下がる音型を基本にしました(約20秒)。腕前は置いておいて…。

  • 以下は近くの家電量販店で人のほとんどいない時に店員さんに断りを入れて録画しました。
  • 音量は適当ですが、音源は各メーカーの一番聴いて欲しいであろう音、つまり電源を入れた時に一番最初にデフォルトで設定されている音にしています。
  • iPhone6を横にして電子ピアノの端に載せて録画したので、雑音が入っています。ご了承下さい。
  • ここで挙げた電子ピアノは中位機種(10万〜20万)のものを選んでいます。この価格帯から鍵盤のタッチや、音が良くなります。各社が一番力をいれている価格帯であろうと思います。

 

カシオ(AP700BK)

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CASIO AP700BK(オープン価格、某家電量販店での価格税込み175,170円)

まずは音が良いです。最近老舗ピアノメーカーのベヒシュタインとタッグを組んでいるカシオだけあって、低音が重厚な響きがします。デフォルトで設定されているのはベルリングランドという、ベヒシュタインのグランドピアノの音。この他にもハンブルクグランド、ウィーングランド等、スタインウェイベーゼンドルファーを模した音も設定できます。このあたりは、自社で生ピアノを作っていないメーカーの強みではありますね。

しかし、僕が弾いた限りでは気になる点がありました。それは「鍵盤の重みが低音と高音でさして変わらない」という部分です。あったとしても少しだけ。ですので、本物のグランドピアノのタッチとは違うという事です。これは少し問題がありますね。

カシオには下位機種は5万円位からあるので、入門用にはこのあたりもオススメです。ただし下位機種はグランドピアノとは違う楽器であることを認識すべきです。 

 

 

ローランド(DP603-CBS) 

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Roland DP603-CBS(オープン価格、某家電量販店での価格税込み167,400円)

僕が現在持っている10年前のローランドと比べても格段に進歩している感じはしました。特徴としては特に低音部分が柔らかい音が出ることでしょうか?タッチも悪くないです。バネを使っておらず、自然な鍵盤の返りがあります。

ローランドは生ピアノを作っていないメーカーにも関わらず、かなりグランドピアノに近いものを作りますね。そのあたりは素晴らしいと思います。

ただ、スタインウェイのような金属製の雷のような低音が個人的に好きなので、そういった音が好きな人には向いていないかもしれません。音色の明るさを調整できますが。あと躯体はコンパクトなので、省スペース向きですね。スリムでスタイリッシュな外観です。

 

 

ヤマハ(CLP−535WA)

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YAMAHA CLP-535WA(メーカー希望小売価格178,200円、某家電量販店での価格税込み145,470円)

良くも悪くもヤマハの生ピアノの音がします。安定しています。こちらもバネを使っておらず、自然な鍵盤の重みが実現できています。これより上位機種ではもっと丁寧に鍵盤の重みを再現しているとの事。

しかしながら私見なのですが、弾いていて面白みが無い、と思いました。これは安定性につながるので良いことなのですが、白米のイメージですかね。おかずが無い感じ。ヤマハの生ピアノにも言えることですが、毎日コツコツ練習するのには向いているかな?という感じです。

 

 

カワイ(CA17R)

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KAWAI CA17R (メーカー希望小売価格226,800円、某家電量販店での価格税込み181,900円)

今回弾いていて、タッチと音の繋がり、タッチそのものの良さを感じたのはこのカワイの電子ピアノです。木製鍵盤を採用し、本物のグランドピアノと同じシーソー式(てこの原理)を見事に組み込んでいます。低音から高音まで個々の鍵盤の重さも申し分ないです。

私見ですが、いつまでも弾いていたい、と思わせる電子ピアノでした。一番グランドピアノに近いかも。しかしながら、今回の比較では値段が一番高いです。値段が高ければ良い鍵盤のアクションや良い音が出る事、グランドピアノに近づくことは自明の理ですので、そもそも今回の比較においてこの電子ピアノを同じ価格帯で括ることはフェアではありませんでした…。また、カワイのピアノの音自体が好きでない人はオススメできません。

しかしながら、今回の比較でタッチと音が一番グランドピアノに近い事は明確です。

 

 

 

 

おまけ カワイ下位機種(LS1)

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KAWAI LS1(メーカー希望小売価格183,600円、某家電量販店での価格税込み126,790円)

おまけにカワイの下位機種です。鍵盤の幅が細くないか?と弾いていて思いました。僕がよく行くスタジオに置いてあるカワイのグランドピアノでもたまに思うのですが、鍵盤の幅がヤマハに比べて小さいものがあり、弾いた時にその違いにびっくりする事があります(追記:実際には鍵盤の幅は同じだそうです。錯覚かもしれませんがそのように感じるのは鍵盤と鍵盤の間にある隙間が大きいためかもしれません)。

このあたりは慣れでしょう。こちらは木製鍵盤ではないので、多少弾きにくい印象もありました。ボディがスタイリッシュで、こちらも省スペースですね。

 

 

 

 

 

 

 

独断ランキング

以上より、グランドピアノに似たタッチと音を考慮して僕が買うことを想像してランキングした結果がこちら(あくまでも私見です!)

  1. カワイ上位機種
  2. ヤマハ
  3. ローランド
  4. カシオ
  5. カワイ下位機種

やはりカワイのCA17Rに関しては値段が高いだけあってかなりしっかりとグランドピアノのタッチと音を追求しています。木製鍵盤のタッチも本当に自然でした。しかしながら、カワイに関しては値段が高いといういささかフェアではない要素が含まれていることをご承知おき下さい。

【配送/組立設置料込み】KAWAI / カワイ 電子ピアノ 木製鍵盤 CA17R (プレミアムローズウッド調仕上げ) 

ヤマハに関してはもっと上位機種を試奏すれば違った感想が出てくるかもしれません。10万円後半の機種を試奏した訳ですが、20万円前半から鍵盤のアクションや作り方が変わるとのことです。日本にある生ピアノは大半がヤマハなので、ヤマハの電子ピアノで練習する事は理にかなっています。

ローランドは僕も既に所有しているのでご贔屓だったはずですが、持っていてこんな事をいうのもなんですが、音が柔らかいですね。僕はもっとホロヴィッツのピアノのような爆音系が好きです。しかしながら、落ち着いた曲を弾くには良いですね。

カシオの音に関する並々ならぬ追求はびっくりしました。しかしながら普段から練習すること、グランドピアノでの演奏を意識して練習する際にはカシオの鍵盤機構は物足りない気がします。

 

今回は「タッチ」と「音」を主に評価対象としてランキングしましたが、他にも電子ピアノ自体の重さ、コンパクトさ、特殊機能(音色を変える、鍵盤の重みを変える、録音、電子機器との接続、レッスン機能…etc)、打鍵音(周りに響く雑音)、故障のしにくさ等々、色々な尺度があるかと思います。

それを考慮するとランキングができなくなるので、今回は外しましたがいづれまたきちんとしたランキングを作成したいと思っています。

 

読んでいただきありがとうございました。