ドビュッシーとラヴェルはカップリングされやすい
今日何気なくテレビを見ていたら、iPad proのCMのBGMがドビュッシーの弦楽四重奏曲の第二楽章でした。躍動感のある旋律に、弦のピチカートがすごく印象的です。
この曲ですね。youtubeからお借りしてきました。
正直、BGMを最初に聴いたときに僕はラヴェルの弦楽四重奏曲と勘違いしていました。
というのもこのドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲は同じCDにカップリングされていることが非常に多いからです。
僕が持っているのは下記の、イザイ弦楽四重奏団のものですが、これもドビュッシーとラヴェルのどちらの弦楽四重奏曲も聴けます。素晴らしい音源です。
この2曲は同じ印象派と分類されるだけあって、とてもよく似ています。
ドビュッシーとラヴェルの作曲のスタイルもよく似ていると思います。
違いを言えば、ドビュッシーは自由奔放で新しいことに挑戦するタイプ、ラヴェルは古典派等の「型」を取り入れて、かつ美しく仕上げるタイプですが、どちらも素晴らしい作曲家で、僕はとても好きです。
ドビュッシー、ラヴェルの音楽のごく個人的な感想
個人的な意見ですが、この2人の作曲家の音楽を聴いているとちょっと現実から離れることができます。あと、何故か田舎の森の風景とか、小川の流れとか、
直裁的な風景が思い浮かびます。これは本当に人によってそれぞれでしょうが。
僕が田舎の村出身だからなのかもしれません。リストにも印象派を先取りしたような音楽(エステ荘の噴水、ワレンシュタットの湖畔にてとか)がありますが、同じような自然の風景が浮かびます。
でもこのような感覚はベートーヴェンや、バッハの音楽ではあまり感じないのです。不思議なことです。それがどうしてなのか、多分「単純ではない和声とか意表を突いた転調」がそうさせているとは思うのですが、僕の音楽力ではよく分かりません。
あとはこの2人の音楽はやはりオシャレです。フランスという風土がこのような音楽を作っているのかもしれません。
「僕はブルックナーを愛聴しています」という男と、
「僕はラヴェルを愛聴しています」という男でどちらが女受けよいか?と問われれば多分後者の方でしょう(これは冗談ですブルックナーファンの方、ごめんなさい)。
そして、僕が常々思っていること、ドビュッシーは西洋音楽の在り方を変えた人物の1人ということです。
このような特筆すべき人物は絞りに絞ると、バッハ、ベートーヴェン、シェーンベルク、ドビュッシーとなると思います。もちろん異論はあると思いますが。
ドビュッシーは新しい和声や、自由な形式を用いてそれまでの音楽を変えた人物であり、かつ現代の音楽にも影響を及ぼしている人物と見ることができます。
アップルのCMは見ていて面白い
2年くらい前にもアップルはiPadのCMで、フィンランドの指揮者兼作曲家のエサ=ペッカ・ サロネンがiPadの作曲アプリ「notion」を使って作曲している様子を流していました(ちなみに僕はそのCMを見てnotionアプリを買いました)。
この時もサロネンの作った現代音楽ぽいものが流れていました。
しかし今回、何故にドビュッシーなんでしょうか?確かにリズミカルで動きのある音型は、iPadの柔軟さ(何でもできる自由さ)をよく表しています。ですがそれ以上に
「音楽の概念を変えようとしたドビュッシーの作曲によるもの」ということに意味があると勘繰ってしまいます。
個人的には「新しいモノを作り続ける」というアップルの意志を感じました。
(廉価版CDがありました。)